希望の会社に採用され、晴れて社会人に。しかし「就職したはいいものの、会社に馴染めない」「仕事で思うように成果が出せない」などの理由で、結局退職してしまった人もいるのではないでしょうか。
そんな「自分に合わなかった」が原因で仕事を辞める人は、意外に多いんです。実際、某大手人材サービス会社が新卒入社3年以内に離職した20代を対象に行ったアンケートを見ると、退職理由のトップは「自身の希望と業務内容のミスマッチ(37.9%)」。「自身の性格と所属先の風土のミスマッチ」も19.1%でトップ7に入っています。
実は筆者も、ミスマッチな職場に苦しんだ経験者のひとり。人と話すのがとにかく苦手で、データ分析や資料作成の方が得意だったにもかかわらず、体育会系ばかりの営業部に配属されてしまい……。毎晩泣きながら死にものぐるいで働いていました。まさしく「就職ガチャ」に外れたような状態だったんです。
では、こうした哀しいミスマッチを防ぎ、個性や能力を生かしながら自分らしく働くためにはどうしたらいいのでしょうか? そこでおすすめしたい方法は、自身の強みや価値観をハッキリさせ、それと合致する企業を選ぶことです。
自分らしく働くためには、まず、自身の強みや価値観がどのようなものかを見極める必要があります。あなたの強み・価値観を明確にした後、職場の価値観や社風を洗い出し、双方をマッチングさせる。こうすることで、「自分に合わなかった」と感じる機会も少なくなるのはずです。
自身の強みや価値観を探る方法としては、以下の3つが挙げられます。
得意なこと・苦手なことを書き出す
まずは、幼少期から現在に至るまで、得意なことや苦手なことを紙に書き出してみましょう。 一見仕事に関係なさそうな内容でも構いません。
「整理整頓は昔から得意だな」「そういえば、絵を描いたり工作したりするのが好きだった」「情報をノートにキレイにまとめることは何時間でも没頭できたな」なども構いません。
苦手なことに関しても同じです。「人と対面や電話で話したりするのは苦手」など、どんなに小さなことでも構いませんので細かくリストアップしてみましょう。できるだけ具体的に挙げることを心がけてみてください。
また、このとき、「人とどのように関わるのが得意(苦手)か」も明らかにするといいでしょう。たとえば、「リーダーとして周囲を引っ張るのは苦手だ。むしろ、人のサポートや調整が得意。中学・高校時代の部活では副部長のような立ち位置で、調整役として重宝されていたな」など、これまでを振り返って書いてみてください。 こうすることで、強みや弱みが目に見えるようになっていきます。
「6つの質問」で、「何を重視して生きていきたいのか」を洗い出す
自分がどんな価値観を持って、どう生きたいと思っているのか。それを洗い出すために、下記の6つの質問を自身に投げかけてみましょう。
このように自問自答しながら答えを掘り下げることで、「自分らしく生きるため、譲れないポイントは何か」「どのような才能・特性を持っているか」がハッキリしていきます。
人から「ありがとう」と感謝される瞬間が一番嬉しいのであれば、お客様と接する仕事が向いているかもしれません。あるいは、趣味に費やす時間が何よりもかけがえのないものであれば、「プライベートと仕事を両立させられる職場を選ぶ」という指針ができるでしょう。
アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏も、毎朝「もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは本当に自分のやりたいことだろうか?」と問いかけ続けていたそう。名だたる起業家のように、質問を重ねて「自分が何を重視して生きていきたいのか」をクリアにしていきましょう。
他の人に分析を依頼する
「自分だけで強みや価値観を洗い出すのは難しい」という場合は、家族や友人など、近しい人に他己分析を頼むのもひとつの手です。自己評価と、他人からの評価はたいてい違うもの。第三者の視点で自身の強みを発見してもらうことで、新たな知見を得られるのではないでしょうか。
頼む際には、相手が答えやすいよう、あらかじめ質問をしっかりリストアップしておくことが重要です。
〈質問の例〉
これらの質問に答えてもらうことで、自分ひとりでは知るよしもなかった新たな側面や、「他者から見た自分のキャラクター」が見つかるはずです。
そのほか、これまでの人生の中で人に言われたことを紙に書き出してみるのも効果的です。たとえば、「〇〇さんって我慢強いですよね」など。自分にとってはごく当たり前の行動や習慣でも、他人から見ると「スゴい!」と感心するようなことかもしれません。
自身の強み・価値観を見出せたら、次は企業の強み・価値観を知る作業に移りましょう。
企業の公式HPだけでなく、外部のインタビュー記事なども参照する
企業の強み・価値観を知るためには、公式HPや採用サイトだけではなく、外部のインタビュー記事なども参照するといいでしょう。
HPに記載されている採用情報だけでは、企業の社風や社員たちのカラー、「会社として、本当は社員に何を求めているか」まで深く知ることは難しいかもしれません。その点、雑誌やWebメディアなど、外部が企業の社長や社員に行ったインタビューでは、より赤裸々に語られていることも多いです。社内の雰囲気や、働いていて苦労した点、中途入社で会社に馴染むために努力したポイント。こうした情報や社員の価値観を、公式HPとはまた異なる角度で知ることができるでしょう。
社員個人がSNSで発信している場合は、その情報までくまなくチェックするのもおすすめ。さまざまな媒体から企業の内部を深掘りすることで、雰囲気をよりつかめ、自分に合うかどうか判断しやすくなります。
OB・OGに直接話を聴く
もし応募したい企業に勤めているOB・OGがいれば、社員の生の声を聴く絶好のチャンス。ぜひ、直接ヒアリングしてみましょう。公式HPなど、表に出ている情報だけでは分からない社風や業務内容について知ることができるはずです。残業時間や社内の人間関係など、ややネガティブな情報もドンドン質問しましょう。
「ツテなんてないよ!」という場合でも、OB訪問専用アプリを利用するという方法があります。国内最大級の大手OB訪問アプリや、約1万人の公認企業OBに連絡をとれるアプリなど、種類はさまざま。
アプリに加え、SNSを使ってOB・OGを見つけ、コンタクトをとることも可能です。相手の時間をいただくわけですので、実際に会う際には気遣いやお礼も忘れずに。
自身の得手・不得手や譲れない価値観を書き出し、他己分析を試みる。そうすれば、あなたの強みが洗い出せるだけでなく、新たな一面も発見できるかもしれません。「自分」を見つけられたら、自身が生き生きと働けるイメージが湧くような企業を探してみましょう。
若チャレ事業もぜひ活用してみてください。若チャレ事業では、専任カウンセラーのサポートを受けつつ、企業で最大20日間の実習を受けられます。つまり、企業の強みや価値観を体感できるということ。実習を通じ、入社前と入社後のギャップが減らせるだけでなく、さらに自分の仕事への向き合い方もはっきりしてくるかもしれません。
ぜひ「事業説明&相談会」に登録してみてくださいね。